第3回『会社とは何か?~東芝不正会計事件より~』

第3回(2015.10.31 午後1:30~5:00)

 

寺子屋第10期も早や3回目です。

今回は、第8期にご登場いただいた東芝の奥住氏に再登場いただきました。

当初は、第8期でやっていただいた「イノベーション」のお話をもう一度と考えていましたが、突然の不正会計事件の勃発。

我々世話役も、講座がキャンセルされるのではと戦々恐々でしたが、お会いしてみれば、逆に「この事件をテーマにしたい」とのお申し出。

一も二もなく飛びついたのは言うまでもありません。

 

さて、当日は興味深い事件のご説明。

内容は、当日配布された資料をご覧いただくとして、個人的に驚いたのは、トップの無理な指示(さすがに違法行為をせよという指示ではなかったようです)に対し、各部署がそれぞれ独自に「ごまかし」を考えたというところでした。

横で相談しながらというならわかりますが、気がつけばあっちでもこっちでもそれぞれの業務に応じた方法でやっていたという事です。

一人の人間の指示なら、そこに根源をもっていけますが、それぞれが「工夫」してしまったというところに、難しいものを感じました。

 

また、関係者は「デジタルフォレンジック」という調査をされたそうです。これは、電子メールなど削除されたものまで復元してすべて調査するという手法だそうですが、今や削除しても復元されてしまうそうです。

やっぱりそういうものは紙ベースにしておき、いざとなったら焼くか食べるかというのが一番だと感じました。

 

受講生は3つのグループに分かれ、それぞれ「会社とは何か、どうあるべきか」といったことをディスカッションしていただきました。

聴講の方もそれぞれディスカッションされ、また講師の奥住氏も各グループの輪に加わっていただき、有意義な議論ができたようです。

 

奥住氏が中国出張で早めに退席されたため、最後の締めの言葉は福川さんにお願いしました。

企業の持つべき4つの価値(収益価値・顧客価値・従業員価値・社会価値)をどう組み合わせ、それをトップが3つの力(ビジョン設定力・現場把握力・人心掌握力)をどう組み合わせて駆使していくが大事というお話は、これはこれで興味深い内容でした。

いろいろな情報を取り入れた上で、「自分はどう考えるかが大事」というメッセージをいただきましたが、突然指名されてそんな話をさらりとしてしまうところはさすがでした。

 

今回の講座は、興味深いテーマだったためか、卒業生8名、来期の参加希望者1名が聴講に来ていただいたのは、世話役として嬉しい限りでした(懇親会にもご参加いただければもっと嬉しかったと思います)。

懇親会には福川さんも参加されますし、私も密かに「番外ディスカッション」をさせていただきました。卒業生のみなさまも、せっかく来ていただいたなら、そんな講座以外のメリットも味わわれたらいかがかと思います。

 

次回は、昨年と同じ講師の共同通信川上氏ですが、今回はいままでの政治論から少し離れて、「現代社会の諸問題」にスポットを当てていただきます。

面白い内容になるのではないかと思います。

是非、足をお運びいただければと思います。

記:平出